人生浅く広くダイナミック

卒論代わりの備忘録

青ヶ島旅行記・大学生一人旅と本当の青3


 

今週のお題「夏休み」

 

4 絶景とエモい夜

 

さていよいよ、気分もテンションも酔いも人生で類を見ないくらい高まって参りまして

ほろ酔いで売店のおばあちゃんに教わった場所へ向かいます。

ちなみに場所は八丈島が見えますのあたり

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上の方

どちらかというと標高がとても低いんですが、島民のかたのお墨付きということで向かっていく

ちなみに、お店のかたからは

 

「むちゃくちゃ暗くて怖いから頑張れよ。君の想像している暗いとは違うからね?」

 

本当にやばかった

暗いとかじゃない、闇、漆黒、真っ暗

怖いとかより本能的に避けたくなるレベルで暗い

 

け、けえりてぇなぁ

 

でもここまで来て、星も見ないで帰るって何事なの?

お前頑張れよ

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覚悟を決めた

頑張ると一人で気合い入れて歩いていく

東京に住んでる人にはわからないと思うし、僕みたいな田舎の人でもあの暗さは本当に経験できないと思う

途中の街灯に逆にビビる始末

ちなみに青ヶ島の夜の街灯にはカナブンがものすごい数集まってトルネードしているので近づかないのをオススメします

カナブンの天敵がいないからだとか

そういえば、鳥ほぼいないなこの島

島民の人は本土に行って川を初めてみて感動するらしい

 

この街灯を抜けると真っ暗に戻ります

ある程度進むと星のあかりで見えるくらいになります

iPhoneのライトを利用してずんずん進んでいき地面の質が変わったな...

と顔をあげると

 

 

スッゲェ変な声でたモォとか言えよお前

おばあちゃんの言ってた牧場はこれか

てことはこの先いきすぎると死ぬからこの変で進むのはやめてと....

ライトを消して寝転んでみる

星だすんごい星

キラキラしてるわ空が

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青ヶ島の星空

友達の貸してくれた一眼で撮影を試みるも使い方わからず

電波ないので調べることも叶わず断念

せっかく来たのに怖すぎて10分くらいで退散しようとして来た坂を登っていく

 

きたけどなあ、怖くて集中できなくてくやしい

なんて思って

ふぅとスマホと顔をあげると

 

目の前に女の人がいた

 

またもや声にならないレベルで驚く

女の人も似た感じ

 

「「びっくりした」」

 

「観光客とかはこっちに見にこないから完全に油断してたわ」

「それは本当にすいません」

とりあえずお互い坂に腰を落として世間話

 

行きはしたばかり見ていて気づかなかった

坂に座ってみると星が水平線ギリギリまで光っている

見ようによっては島全体が星に包まれているかのような感じだった

坂に寝転べばよりその感覚がましていく

 

「いいっしょここ、お気に入りなんだよね。この島に来ていいなと思ったことは少なかったけどここは好きなんだ」

「本当に素敵ですねここ」

「でも、ぶっちゃけ写真の方が綺麗でしょ笑 集光なく裸眼で見ると点々いっぱいみたいにしか見えないし」

「まあ、確かに、、、正直乱視もあるんで、少しだけイメージと違ったというか」

 

「でもね、この風とね。土の匂いとさっき言ってた包まれているような感覚。そして天の川が点々の星に見えるからこそモザイクのように数えきれないほどの星で構成されているのがわかるのよ」

 

僕はもしかしたら、とんでもないほど素敵な経験をこの旅でしているのかもしれない

なんて思っていた

この女性は、島の保育士だそうで

いろんな日本の離島を一定の期間ごとに移動しながら生きているらしい

一人でたくさんの子を見なくてはいけないから大変と言っていた

 

「島の生活って楽しいですか?僕は、ここがとてもいいところだと旅行してて思いました」

「それは旅行者からの視点だけだからね。働いて生活をしてみるとね、いろんなことがあるのよ。まあ、だから転々としているんだけどね」

 

僕は浅はかだなと思った

自分は一面しか見ていないし、ラッキーがここまで重なっただけだったんだ

なのにしょうもないことを浮かれて頑張ってる人に向けて言ってしまった

僕らはお互いの顔を見なかった

意識したわけではないけども

暗闇の中で星座の話をしたり将来の話を語ったりしていき

そんなことは忘れてしまっていた

お互いの外面なんてさした問題どうでもよくなっていたんだろう

どのくらい話したかもわからなくなり

自然とお互い立ち上がり

坂を登っていた

結局お互いに名乗らなかったし顔も見合わせなかった

だからきっと僕らはもうすれ違っても気づかない

なんて贅沢な予期せぬ出会いだったんだろう

太古の日本人は顔をみることなく恋愛に奔走したという文献もあったりするが

一瞬僕は感性だけでも太古に戻っていたのかもしれない

友達に何もなかったの?

とよく聞かれるが何もなくてもこの思い出は尊かったんだと思う

 

その後はうろ覚えだが

そして僕は宿に帰りお風呂に浸かり寝たんだと思う

 

5 帰還編

最終日、朝起きてのんびりする暇もなく荷支度をする

この日はもう本当に帰るだけだったので

荷物をまとめてヘリポートに向かいながら早めにいくことになった八丈島について調べる

とりあえず宿を抑えねば

この時期にはダイバーも多いので宿はどこも満室で困った

ヘリポートにつくと初日の清楚アベックさんたちもいた

彼女さんは相変わらず真っ白なワンピースが似合いそうな素敵な人だった

今から、彼らも八丈島へいくらしい

島の行き先は違うのでヘリまでですが

ヘリは想像よりも大きく、うるさかった

帰り際に女将さんが

「今度は冬にいらっしゃい!実はね、単純な星の綺麗さだったら冬の方がすごいのよ。」

「それは絶対に来ます」

「まあ、夏以上に行き来が難しいんだけどね笑」

青ヶ島へたどり着く確率は通年で50%だがこの可能性を下げているのはほとんど冬のせいである

「そしてね、冬は小学校の前のくだり坂からクジラが通るのが見える時があるのよ」

最後まで幻想的な島だ、ここの小学校の子たちはクジラを眺めながら通学するのか

「いつになるかはわからないんですけど、絶対にいきます」

「次は女の子ときな!」

「じゃあもっといつになるかわかりません」

 

そんなことを最後にヘリは青ヶ島を出発する

運転手さんは最後に青ヶ島の外観を説明しながら出発する

 

運転手さん曰く、ネットにあるような写真が取りたいならね

行きのヘリに乗らないとだめだよ

帰りだと中途半端にしか見えないからね!

 

行きはヘリ帰りは船がベストらしい

もし、この記事を読んで行きたいと思う人がいたら参考にしてほしい

そして僕は、初体験をたくさんくれたこの島での思い出をきっと忘れない

書きながら本当にいい島だったと改めて思う

 

そして僕は見えなくなる青ヶ島を偲びながら次の予期せぬ旅先八丈島に思いを馳せた

とりあえず八丈島編はまたいつかにします

三構成長々お付き合いくださった方はありがとうございました

 

次回、海の家とパンチパーマと酒池肉林でお会いしましょう